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介護業界における働き方改革④

こんにちわ。

今回は「均等待遇」です。

 

簡単に申し上げますと、

働き方改革における、同一労働同一賃金とは、

正規と非正規の不合理な待遇の是正であり、

この「不合理」の基準が、

今回のテーマ「均等待遇」であります。

 

「均等待遇」とは労働が同じであれば同じ賃金を支払うこと

 

また、よく似た言葉に「均衡待遇」があります。

こちらは、労働に違いがあれば違いに応じた賃金を支払うこと

 

とどちらも同一労働同一賃金の実現には欠かせない

要素となっています。

 

一般的な例として、同じ仕事をしている労働者(例えば飲食店のホールスタッフ)

が明確な職務の差(責任とか)が無いのに、正規社員とパート・アルバイト等に

賃金の差がある→おかしいよね!→直さないとね!

よくあるケースです。

 

 

介護業界に話を戻します。

 

ヘルパーの雇用を考えた場合、正規職員(常勤月給)、パート(非常勤時給)、

登録ヘルパー(非常勤時給)のいずれかが一般的だと思います。

 

この際に、正規と非正規で同じことをしているのに(Aさん宅で同じサービスの提供)

賃金の差がある→ダメ

はご理解いただけているかと思います。

 

しかし、この業界、会社にもよりますが、案外事例としては少ないのではと考えます。

賞与等の有無にもよりますが、時間単価でみれば登録ヘルパーが一番高いのでは

ないでしょうか?

登録ヘルパーはご承知のとおり、仕事のあるとき、働けるだけ勤務するシステムなので、

時給単価は高く設定されるのが原則です。

 

結論として、正規に比べて、非正規は不合理な賃金格差、法違反ということは

あまりないのではと思います。

反面、正規ヘルパーからすると、時間単価だけで考えると面白くない部分も

あると思います。

会社は賃金設定の際、この辺は改めて考慮すべきだと思います。

 

従前は正規賞与あり、非正規賞与なしがこの国の慣習でしたが、

今後は同じ金額でないにせよ、そのような待遇差は設けられません。

 

この業界にとって問題なのは正規職員にしかるべき賃金保障がしづらいところにあります。

純粋にヘルパー業務だけで考えれば、夜勤も含めて数社掛け持ちで登録ヘルパーとして、

勤務することが一番稼げる可能性が高いと思われます。

 

会社としては、安定して勤務してくれる登録ヘルパーが必要数いれば、

一番人件費はお得です。

とはいえ、昨今の人手不足、求職者は常勤勤務を希望する人の割合は上がる一方、

長く勤めてくれている登録ヘルパーの高齢化は進むばかり、と登録ヘルパー頼みの

企業経営は年々厳しくなることは必然です。

 

安定経営の達成には人材の囲い込みとして、正規職員の雇用は避けられません。

正規職員はヘルパー業務だけではなく、他ヘルパーの管理や後進育成等の職責を設け、

キャリアアップできる環境を作ることも大切です。

そうしなければ、介護報酬増頼みで企業収益も上がらず、時代に沿った賃金を

支払うこともできません。

 

日々の業務に追われ、なかなか手を付けられない分野かと思いますが、

安定経営のためには外せない事項と思いますので再考していただけたらと思います。

 

 

 

 

 

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